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悪役令嬢、友達と船に
「うわぁ!きれい!!」
「凄い!もう港が見えないよ!!」
エリーたちは、巨大な船に乗って遊んでいた。
王族たちは大はしゃぎ。
「ふふっ。喜んで頂けたようで何よりですわ」
エリーはそう言って笑みを浮かべる。
乗り慣れているエリーは、はしゃぐという選択肢はなかった。
「ねぇ。エリーは楽しめてる?」
ぼぉっと海を眺めるエリーに、第3王子のエイダーがそう声をかけてきた。
エリーは薄い笑みを浮かべて頷く。
「ええ。お友達が楽しければ、私も楽しいですわ」
「そうなの?なら、いいんだけど」
そこで、会話が途切れる。
お互い少し見つめ合った後、エリーは少し踏み込んでみることにした。
「最近、何かありましたの?」
エイダーも、第1王子のロメルも、最近少しおかしい。
エリーはマズいことが起こっているのではないかと、警戒しているのだ。




