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悪役令嬢、時はすぐに過ぎる

エリーは、表ではいろいろな事業に手をつけたり、剣術をしたり、勉強をしたり、王族たちと友好を深めたり、たまにイルデから相談を受けたりして過ごす。

裏では、盗賊を狩ることがほとんどだった。


そんなことをしている内に、約1年が過ぎた。

そして、今日は、あの日である。


「エリー。報告をして貰おう」


父親が冷たく告げる。

エリーは軽く頷き、資料を取り出した。


「こちらです」


父親は手渡された資料を眺める。

そこには、この1年間の収入が書いてあった。


1年間で1億稼ぐことができれば、エリーは他の人の名前を借りて領地の経営ができる。

だが、船の建造には、時間も予算も掛かった。


半年で船は完成したものの、


「9000万か。残念だったな」


「そうですね。残念です」


エリーはそう言ったが、その顔に驚きの感情は表れていなかった。

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