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悪役令嬢、放り投げる
「まあ、あなたが何をやるにしても、私に害さえなければ邪魔はしませんわ」
エリーはそう言って、手をヒラヒラと振る。
イルデは少し目を見開いた。
「なっ!関わらないつもりか!今更そんなことが!?」
叫ぶイルデ。
エリーは、外に待機しているモノたちに聞こえていないか心配になった。
「落ち着いて下さいまし。外のモノに聞かれますわよ」
「くっ!」
イルデは頭を振る。
自分を落ち着かせているようだ。
「……僕の質問に答えてくれ」
「はいはい。分かりましたわ」
エリーは頷いて、真剣な表情をする。
つられて、イルデの顔も引き締まった。
「関わらないこともできますわ。だって、私たち、子供ですもの。子供の言うことなんて、戯れ言以外の何でも無いですわ」




