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悪役令嬢、次期教皇と知り合う
「あ、あら。次期教皇様が、なぜこんな所に?」
エリーは首をかしげる。
その脳内は、とても激しく働いていた。
ーーイルデ。また面倒なのが出てきたわねぇ。
エリーは、ゲーム中のイルデを思い出した。
まず、イルデは教会のトップ、教皇の息子である。
頭も良く、かなり多くの人から支持されており、次期教皇と揶揄される存在だった。
だが、当のイルデにその気は全くなかった。
というより、その心の中では、真逆の感情が渦巻いていたのだ。
イルデを攻略しようとすると、ある言葉がイルデより発せられる。
その言葉が、
「僕と一緒に、教会を潰してくれないか?」
である。
そう。今、目の前のイルデから発せられたように。
ーーえ、えぇぇぇぇ!!!?????
エリーは心の中で絶叫する。
ーーう、嘘でしょ!?この年齢からもうそんなこと考えてるの!?頭おかしいんじゃないかしら!?
エリーの考えでは、イルデは教会の腐った内部でもまれて、歳を重ねていき、教会に嫌気が差すのだと思っていた。
だが、実際はそうではなかったのである。




