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悪役令嬢、お客様と会う
「……完全に放っておかれてますわ」
「仕方ないです。エリー様。観察していましょう」
落ち込むエリーに、専属メイドのメアリーが肩をたたく。
その言葉に従って、その辺に座ろうとしたのだが、
「エリー様!いらっしゃいますか!?」
兵士が慌てた様子でやってきた。
エリーはその兵士に近づく。
「どうかしましたの?何か問題が?」
「そ、それが、エリー様にお客様が」
「お客様?」
エリーは首をかしげる。
自分に会いにこんな所まで来る人物が考えつかないからだ。
「どなたですの?」
「そ、それが実は、教会の方のようで」
エリーは、教会という言葉に眉をひそめる。
少し敵対的な行動をとってしまったばかりなので、警戒しているのだ。
警戒するエリーの前に、客人が現れた。
「初めまして。エリー様。私、教皇ビリーアの息子、イルデと申します。以後お見知りおきを」




