悪役令嬢、成長を実感する
「で、では、皆さんは、教会との仲を悪化させたいとおっしゃるのですかな?」
教会側が、いきなり爆弾を出してきた。
王族たちも、流石に驚き、うろたえているような表情に。
ーー少し援護した方が良いかしら?
エリーがそう思ったところで、
「そうは言っていない。こちらも教会側との繋がりは大切だと思っているからこそ、譲歩してやろうと思っているんだが」
「ほぅ。譲歩ですか!さすがは次期国王。ロメル様はよく分かっているようですなぁ」
ロメルの言葉に、教会側は明らかにホッとしたような表情をする。
だが、その後の言葉で、すぐに表情は崩れた。
「そうだ。俺たちを侮辱したヤツの永久追放と。1千万の賠償ですませてやろう」
「はっ!?」
ーー上手いわね。コレなら文句は言えないわ。
エリーは、ロメルの発言に感心し、成長を感じた。
「どうした?かなりの譲歩だろう?本当なら国家反逆罪で教会の全員を斬首刑にしなければならないんだが、俺たちとしても教会との繋がりは大切にしたいと思ってな。かなり譲歩してみたんだが。………もちろん、文句はないよな?」
「なぁ!?……うぅ!!分かりました!それでいいでしょう!!」




