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悪役令嬢、焦る!
「あっ。エリー」
少し疲れたような表情をしながら、第1王女のタキアーナが部屋から出てきた。
そのまま、エリーに抱きついてくる。
「タキアーナ。随分とお疲れですのね」
「ん。疲れた。だから、しばらくこのまま休ませて」
タキアーナはそう言って、エリーへ抱きつく力を強める。
エリーは困った顔をしながらも、そのままにさせることにした。
「あれ?エリーと姉さんは終わってたんだ」
少しすると、アロークスも出てきた。
その顔は、どこか明るい。
「随分と嬉しそうですわね」
「当たり前じゃないか!悪を倒せそうなんだから!」
ーー悪を倒せそう?ちょっと待って!その考え方をされると面倒だわ!
エリーは、アロークスの言葉に慌てた。
エリーがゲームで追放されるのは、アロークスは平民好きで正義感が強いからだ。
だから、関わってしまったのでアロークスの思想を変えようと考えていたのだが。




