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悪役令嬢、老婆を助ける
「くそっ!ここで、終わりか、」
エリーがイベントを思い出している間、老婆はさらに傷を増やしていた。
今にも死にそうな状況である。
「流石にここで助けないと、後悔する気がするわね」
エリーは覚悟を決めて駆け出す。
そして、
「ギョブブゥゥゥ!!???」
「え?」
老婆に襲いかかろうとしていた1匹の魔物を殴り飛ばした。
唖然とする老婆をよそに、エリーは次の獲物へと襲いかかる。
この段階で、魔物たちの意識が全てエリーへと移った。
だが、もう遅い。
ボトボトボトッ!
重いモノが落ちる音がする。
《レベル40にレベルアップしました》
…………
《レベル62にレベルアップしました》
辺りの草が赤く染まった。
それを見た老婆は、さらに驚愕し、化け物でもきたのかと思い始めた。
「おばあさん。大丈夫?」
エリーはそう言って、赤く染まった右手を老婆に差し出す。
「え!?に、人間!?」




