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悪役令嬢、薬局への道中
「それじゃあ、次は薬局だね」
第2王子のアロークスは笑顔で言う。
エリーもその言葉に、笑顔で頷いた。
「薬局。楽しみですわ」
「何が楽しみなの?」
エリーが期待の言葉を呟くと、それを第3王子のエイダーが尋ねてきた。
エリーは口の端をあげ、
「薬局の人が、若返ったと聞きましたわ。その方法が分かれば、きっと売れると思いますの!!」
エリーは語気を強めて言う。
そんなエリーに、王族たちは納得したような顔になった。
「エリーは金に目がないよな」
「公爵家なんだから、お金は有り余るほどにあると思うんだけど」
「まあ、令嬢だから、備えが必要なんだよ」
ーー結構な言われようね。
エリーは王族たちから自分がどう思われているのか知って、気落ちしつつ、それでも薬局を利用してやろうと言う気持ちは、一瞬も消えることはなかった。




