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悪役令嬢、演技が身につく
「いやぁ~。素晴らしかったですわぁ!」
エリーは目を輝かせながら言う。
この言葉に、嘘はない。
幾つか演技でオーバーリアクションをとったりもしたが、参考になる技術があったのも確かだった。
得るモノは、確かにあったのだ。
「凄いでしょぉ!」
「ええ。エイダーの作ったモノも素晴らしかったですわ」
これは、少しだけ嘘である。
確かに、第3王子のエイダーが考えたモノは、同年代が考えられるようなモノではなかったのだが、それでも売れそうなものでもなかった。
おそらく、王族関係者だからと言うことで、誰かが無理矢理売ったりしたんだろうとエリーは推測した。
ーーまあ、この年齢にしては考えた方なんじゃないかしら?
エリーがそう思ったときだった。
《スキル『演技LV1』を獲得しました》
新たなスキルを獲得した。
それ自体は、とても喜ばしいこと。
なのだが、
ーー演技ねぇ。スキルが手に入るほど演技やってたかしら?




