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悪役令嬢、お揃いのお買い物
「こちらなど如何でしょうか?」
奥から店員が箱を持ってきて、エリーたちの前で開く。
その箱には、色違いの指輪が多数。
「っ!豪華すぎずシンプルすぎない、繊細なデザイン!」
「いいですわね!これでいいでしょうか?」
第1王女のタキアーナと第2王女のリファータは目を輝かせる。
少し圧に押された感じはあったが、エリーたちは頷いた。
「ねぇ。好きな色を紙に書いて、お互い色を教え合わないって、どう?」
第2王子のアロークスが、イタズラっぽい笑みを浮かべて、そう提案する。
エリー以外は何かに気づいたようで、おなじように笑みを浮かべて頷いた。
エリーは首をかしげながらも、紙に好きな色を書く。
そして、それを店員に渡した。
店員が、王族たちの選んだ指輪を護衛に渡していく。
その色は、赤、青、黄、橙、白。
「私が選んだのが、エリーとお揃い」
「そんなことはない。エリーと同じ色なのは俺だ!」
「はぁ~。皆、エリーのことを分かってないねぇ。お揃いは僕だよ」
「私がお揃いのはずですわ!」
「え~。白じゃないのぉ?」




