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悪役令嬢、父親と時間調整を行う
誤字報告ありがとうございマスマティックス!
「お父様。少し良いでしょうか?」
「ん?何だ?今は時間があるが」
エリーは父親に、王族たちとお出かけすることになったことを伝える。
父親は意外そうに目を見開いた後、一瞬黒い笑みを浮かべた。
ーー利用できる。とでも考えているのかしら?
エリーは、すぐに穏やかな笑みに作り替えた、父親の心の内を想像する。
「そうか。なら、陛下にもお話しして、時間を調整しておこう」
「お願いしますわ」
父親は手帳にメモをとる。
途中で、顔を上げ、
「それで、どなたとお出かけするのかな?」
「へ?どなたって、全員ですけど」
「……は?」
お互いが首をかしげる。
エリーが首をかしげたのは、誰と行くのか訊かれたことに疑問を持ったから、
父親が首をかしげたのは、
ーー全員だと!?王族の心のガードは堅いはずなのに!……我が娘は、一体どんな手であの固い壁を崩したんだ?私の子のはずなのに、私より優秀とは。




