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悪役令嬢、遊びに誘われる
「そろそろお時間です」
使用人の無慈悲な言葉に、王族たちは悲しそうな顔をする。
エリーはそれを見て、かなり心をつかめたモノだと、達成感を感じた。
ーーこのまま、ロメルがヤンデレにならずに、そして、アロークスが私を公爵家の人間から外さなければ、私は生き残れるわ。適当な貴族と結婚して、自由な時間で闇の活動ができれば私は幸せ。
「あっ!そうですわ!」
エリーが帰る準備をしているところで、第2王女のリファータがポンと手を打った。
突然声をあげたリファータに、全員の視線が集まる。
リファータは視線を気にもせず、
「エリー。今度一緒に、お出かけ致しませんこと?」
「はぇ?」
外出のお誘いをしてきた。
エリーはあっけにとられながらも頷く。
「ちょっと。エリーは襲われたばかりだから、まだそういうのは」
「え?あっ!そうでしたわ。……ごめんなさいエリー」
タキアーナが注意をし、リファータはしゅんとした表情で謝ってくる。
エリーはそんなリファータに手を振って、大丈夫だとアピールする。
「大丈夫ですわ。私も、お出かけしたいです」




