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悪役令嬢、勧めておく
「はぁ。今からやっても遅いしなぁ」
第2王子のアロークスが残念そうに呟いた。
エリーはその様子を見て、元気づかせるように肩を叩く。
「そんなことはないですわ。いつ始めても、遅いと言うことはないはずです。1度経験したロメルやタキアーナからアドバイスを貰いながらやってみては如何ですか?」
エリーはそう言ってから、ロメルたちの方を見る。
ロメルとタキアーナは、笑顔で頷いた。
「私も手伝いますわ!」
「僕も!僕も!!」
第2王女のリファータと、第3王子のエイダーが不満そうに声をあげる。
エリーはわざとらしく驚いたような演技をして、
「まぁ!お兄ちゃんを手伝ってあげようなんて。素晴らしい妹と弟ですわ!」
「「えへへ!」」
エリーに褒められ、2人は照れたように笑う。
そこに、さらなる褒め言葉の追撃が、
「ありがとう2人とも。優しい弟と妹がいて、僕は幸せだよ」
「「えへへへぇ!!」」
部屋は、和やかな雰囲気に包まれた。




