悪役令嬢、情報で王都を潤す
誤字報告ありがとうございます。
「なっ!?そんなことをしたら、やはり情報が集まるガリタッドに、人も集まるじゃないか!」
ロメルが、エリーの解説を聞いて焦る。
ロメルも、情報の有用性はよく分かっているようだ。
因みに、ガリタッドというのは、エリーが管理する漁村の名前である。
「大丈夫ですわ。人が集まることは集まると思いますが。それは王都も同じになるはずです」
「どうしてですの?」
エリーの発言には根拠がなかったので、第2王女のリファータが素速く質問してきた。
ーーいいわね。足りないピースが何かを瞬時に考えて質問できてる。
エリーは、王族たちの成長を実感しながら説明をする。
「まず、私が新聞に載せる情報には、王都の良いところを大量に書きますの。悪いことは少ししか書きませんわ。ですから、それを読むモノたちにとって、王都はとても理想的な場所に見えるはずですの」
「なるほど。さらに言えば、少しだけ悪いことを書いておくことで、情報の偏りがないようにみせるわけだな」
エリーの説明に、素速く第1王子のロメルが隠された部分の確認を行う。
エリーは子供の成長の早さに驚きながらも、穏やかな笑みを貼り付けたまま頷いた。
ーーロメルとタキアーナは、本当に優秀ね。この頭の良さなら、私が前世でいた世界でも十分生きていけるんじゃないかしら?




