悪役令嬢、土産話をする
「凄いよな。エリーの領地は異様な発展してるし」
「同意。可愛いお菓子も増えた。私は嬉しい」
第1王子のロメルと、第1王女のタキアーナがそれぞれエリーの領地を褒める。
褒められて悪い気はしなかったので、エリーは儲かっている話をしてあげることにした。
「それじゃあ、私の領地でさらに発展しそうなお話をしますわ」
「え?まだ発展するの!?このままだと、王都が負けちゃうよ!!」
エリーの言葉に、第3王子のエイダーが慌てる。
エリーの領地が発展してしまえば、王都から人がそちらに流れてしまう。
そして、その王都を管理しているのは国王。
つまり、国王の管理する場所から人が出て行ってしまいかねないのだ。
これは、王族としては心配しなければならないことである。
ーーその辺りも考えられるようになるなんて、エイダーも成長したわね。でも、無邪気で何も知らない頃のエイダーも可愛かったから、ちょっと寂しいわ。
「大丈夫ですわ。それも含めてお話しさせて頂きます。私が発展の足がかりとして、新たに行おうとしている、というか、昨日から始めた産業が、印刷業です。印刷業は……」
エリーは印刷業や、それによる経済効果の解説を行う。
話が進むごとに、王族たちの顔は驚愕に染まっていった。




