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悪役令嬢、懐かれてる

新聞が予想より売れ、エリーと公爵の懐が潤った次の日。

エリーは、いつも通り王族たちのもとにやって来ていた。


「失礼致しますわ」


「あっ!エリー!!」


明るい声で真っ先に反応したのは、少し前までエリーのことを毛嫌いしていた第2王子のアロークスであった。

ただ、攫われてからはエリーが巧みに心に入り込んだため、かなり懐いている。


「……アロークス。お前も変わったな」


苦笑いしながら、第1王子のロメルが2人の様子を眺める。

他の王族たちも、ロメルと同じように苦笑いしていた。


挨拶も兼ねた軽い雑談をしていると、エリーの持ってきた土産が出てきた。

ロメルは、クッキーをかじり、懐かしそうな顔をする。


「お前からの土産は豪華なものが増えたが、この味は変わらないな」


同窓会みたいなことをロメルは言う。

ただ、ロメルの言うとおり土産は最初の頃と比べてかなり様変わりしていた。


魚粉の使われていたお茶は、改良が施され、魚粉なのに優しい香りがするという奇妙なものになっている。

他のモノも貧相なものが多かったのだが、今では金粉が使われたりしているモノも多い。

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