220/3881
悪役令嬢、本番の解決に向かう
「闇の加護のおかげで、かなり移動が楽になったわね」
エリーは船に再試乗した日の夜、自分の管理する漁村へやってきていた。
目的は勿論、治安の回復(つまり犯罪者狩り)である。
今までのエリーであれば、かなり距離のあるこの漁村に夜の活動で来ることは不可能であった。
だが、エリーは新しく闇の加護を得て身体能力がチート級で上昇。
光の加護と併せてチート級の底上げが2つ付いたため、1時間でエリーは漁村に着くことができるようになった。
ただ、それには人目を気にせずに走った場合に限定され、
「な、何!?」
「今、一瞬光るモノが通り過ぎた気が」
「なんか、妖精のようだったな」
エリーは移動を沢山の人に目撃されてしまった。
隠密ができない恨みも込めて、エリーは盗賊退治に動き出す。
「てい!」
エリーが気合いを入れると、とある小屋に居た数人の命が絶たれる。
死んだことを確認することもなく、エリーは次の獲物へ向かう。
「……俺以外は、全滅か」
血まみれの小屋に、そんな声が小さく響いた。




