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悪役令嬢、代償を解決する
「ひったくりよぉぉ!!!」
「邪魔だぁぁ!!」
女性の悲鳴に近い声が聞こえた後、大柄な男がエリーたちが居る方向へ走ってきた。
それを護衛が、
「ふんっ!」
「ごえぇぇぇ!」
殴り倒した。
そのまま護衛は、その男を拘束する。
「エリー様。私はこの男を連れて行きますので」
「ええ。よろしくお願い致しますわ」
エリーは兵士を、笑顔で見送った。
ーー私が来た甲斐があったわね。
エリーが観光をする目的は、それだった。
この町を荒らす存在を、自分につけられた護衛で解決することだった。
もちろん、普段から見回りの兵を雇っては居るのだが、練度としては護衛の方が高いのだ。
エリーは、こうして治安の維持を図るのであった。
とは言っても、数人を捕まえることができるだけで、根本的な解決にはならないのだが。




