悪役令嬢、発展の代償を知る
「エリーは凄いねぇ。経営の才能もアルなんて」
バリアルは町を眺めながら、エリーを褒める。
ただ、エリーは町が発展することを素直に喜べなかった。
まあ、エリーにとって今の村は、まだ発展していない途上都市なのだが。
ーー発展してきたのは良いけど、人が来ればその分だけ犯罪が起こりやすいのよねぇ。
エリーの恐れることは、犯罪件数の増加だった。
兵士などを増やして巡回させているが、それでも対応が難しいときはあると予想された。
それに、発展した理由も、犯罪件数の増加に関連する。
ここが発展した理由は、エリーの考えている計画が影響している。
計画を聞いた貴族が、この町の発展を予想して、自分の会社などを漁村に次々と送り出してきたのだ。
これだけでは犯罪件数が増加する要因にはならないのだが、問題は、計画に参加できなかった貴族の方だった。
計画に参加できない貴族は、このまま計画が進行すると、さらに領地に打撃を受けてしまう。
だから、そういう貴族は、計画を潰したいのだ。
では、計画を潰すにはどうすれば良いか。
簡単な方法は、エリーを殺してしまうことだ。
だからこそ、エリーは暗殺されかけたのである。
では、それが成功しなかった場合、どうするかと言えば、
「きゃあぁぁぁ!?ひったくりよ!!!」
重要都市の治安を悪化させて、産業などに影響を与えてしまえば良いのだ。




