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悪役令嬢、視野を広く

「やはり、問題が起きましたわね」


水漏れが報告される中、エリーは笑みを浮かべて呟いた。

ダリージャルは、エリーの言葉に目を見開く。


「よ、予想されていたのですか!?」


「勿論ですわ。今まで大人数で乗ったことはなかったようですから、こっちまで気が回らなかったのは容易に予想ができます」


エリーの言葉に、ダリージャルは目を伏せた。

確かに、試乗などは何度もしたが、大勢を乗せると言うことはやらなかったのだ。


人数が変わっても大差は無い。

それが、ダリージャルたち、作業員の総意だった。


だが、結果は違った。


「申し訳ありません。私たちの思慮が足りませんでした」


暗い声でダリージャルは頭を下げる。

エリーはそんなダリージャルの頭を上げるように言って、


「後悔する暇があったら、その反省を今後に生かしてくださいませ。後悔したところで、過去は変わりませんの。これから、視野を広く持って、侮らずに挑むようにすれば良いだけの話ですわ」


「はっ!以後心がけます!!」

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