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悪役令嬢、別のことも試してみる
「それでは、そろそろ陸に降りたいと思うのですが」
造船の作業員たちのリーダー、ダリージャルはそう提案してきた。
だが、エリーは首を振る。
「この船は、どれほどの期間浮かび続けることができますの?」
「へ?この船ですか?………3ヶ月を想定しております」
エリーの質問の意図は分からなかったが、ダリージャルは正直に答えた。
その言葉を聞いたエリーは、
「では、もう少し乗っていましょう。ついでに、この船は問題が無い限り、3ヶ月間は海上に浮かべておいてくださいませ」
「は、はあ。了解致しました」
エリーの指示に、ダリージャルは首をかしげるばかり。
だが、エリーの顔は真剣なモノであったため、理由を尋ねようとは思わなかった。
そして、30分後。
エリーたちが船から下り、船の点検が行われた。
「み、水漏れが起こっています!」
「こちらも浸水しています!!」




