悪役令嬢、剣で守りたいと思われる
エリーが剣を習う理由は、クラウンの強化のためだったが、兄バリアルの剣を習う理由は、
ーーエリーを剣でなら守れるはず!
というモノであった。
日頃からエリーを守りたいと思っていた。
だが、エリーが優秀すぎて、守るところなど見つからない。
そんなときに起きたのが、盗賊からの襲撃だった。
ーー盗賊たちを見るエリーの目は、恐怖に染まっていた!(見間違い)武力でなら、エリーのことを救えるはず!
明らかに視力が落ちているが、バリアルはとても高いモチベーションで剣を始めるのであった。
「えいっ!えいっ!」
バリアルは、気合い十分剣を振る。
それを、ヒューズールは頷きながら見ていた。
「バリアル様は、元気があって良いですな。エリー様は……」
ヒューズールは、エリーへと目を向ける。
そこでは、首をかしげながら木剣を振るエリーが。
「エリー様は、まだ剣になれていないようですね。ですが、これから練習すれば、きっとなじんでいくでしょう」
励ますようにヒューズールは言うが、エリーは心の中で、
ーー光の加護があるから、普通の子供よりは早く振る必要があるけど、あまり早すぎても怪しまれる。手加減って難しいのね。




