悪役令嬢、不仲を解消
誤字報告ありがとうございMAX
「エ、エリー。ごめんね。あれ、僕の涙を隠すためにわざとやったでしょ?」
エリーが着替えて戻ってくると、第2王子のアロークスが小声で謝ってきた。
エリーは何も答えずに、薄く微笑む。
「……エ」
「エリー!あのお話聞かせて!」
アロークスが何かを言おうとするが、その言葉は第2王女のリファータによって遮られる。
エリーもそちらに耳を傾けてしまった。
そして、結局アロークスは、しばらくその言葉を伝えることができなかった。
楽しいときはすぐに流れ、メイドに終了を告げられる。
「それでは、皆様ごきげんよう。お体にお気をつけ下さい」
エリーは別れの言葉を告げる。
そして、背を向けて去ろうとするところに、
「………エ、エリー!ぼ、僕とも友達になってくれない?」
アロークスは顔を赤くして言う。
エリーは足を止め、振り返り、
「いいですわ。これからよろしくお願い致しますね。アロークス殿下」
「よ、呼び捨てで良いから!」
「ふふふっ。冗談ですわ。アロークス」
遊び心を忘れないエリーであった。
ただ、心の中では、
ーー本当は、王族と仲良くするのダメなんだけどな。こうなったら、私が王族を洗脳して、未来を無理矢理壊すしかないのでは?




