198/3881
悪役令嬢、部下が騎士を助ける
「何者だ!」
突然現れた黒服たちに、騎士長は問いかける。
そして、その答え次第ではいつでも戦えるように、シッカリと剣を構える。
「……騎士長様、お初にお目に掛かる。我らはクラウン。闇を飲み込むモノだ」
「闇を飲み込むモノ?……よく分からん!貴様らは我らの敵なのか!味方なのか!」
騎士長はこの状況で熟考することはまずいと考え、簡潔な答えを求める。
問われた救出部隊の1人、セカンドは、少しも考えることもなく。
「どちらでもないな。貴様らが、俺らの邪魔をするなら戦うが、邪魔をしなければ戦うつもりもない。まあ、今の状況なら、敵にならないことを勧めよう」
セカンドが言うと、騎士長は、ぐぬっ!と、唸った。
だが、すぐに部下に指示を出し、
「こいつらには構うな!我ら王子の救出のため、館へ乗り込むぞぉ!!」
「「はっ!!」」
騎士長が駆け出すと、その後に数の少なくなった騎士たちが付いてくる。
決死の思いで館の扉を開けると、
「なっ!?」
そこには、盗賊の死体だと思われるモノが、乱雑に転がっていた。




