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悪役令嬢、心の中で謝られる
「くそっ!僕をどうするつもりだ!!」
アロークスは騒いだ。
だが、アロークスの目の前に居る男はそれを笑ってみている。
「なんだ!何がおかしい!!」
「いやぁ。どっかの公爵令嬢と違って、お前は簡単に捕まえられたと思ってねぇ。王族もこの程度か」
盗賊の言葉に、アロークスは顔をしかめる。
ーーくぅ。あいつの話を聞いとけば!
アロークスは後悔した。
そして、エリーに対して申し訳なさがこみ上げてきた。
ーーかなりひどい対応をしてしまった。向こうは何も害をなそうとはしてこなかったのに。……謝りたかった、な。
アロークスの心は、捕らえられてしまった恐怖などから、かなり衰弱していた。
そのため、捕らえられた相手に何をされても、反抗する気すら起こらなかった。
「従順なのは良いねぇ。最後は、痛み無く殺してあげることにしよう」
男は、アロークスの血を抜きながら笑う。
そして、その血を、
「うぅ!!!」
自分に入れ込んだ。




