悪役令嬢、忠告しておく
「いやぁ。でも、今回はかなり危なかったですわ」
エリーは、盗賊に襲われたときのことを話していく。
それを、アロークス以外の王族たちはシッカリと聞いていた。
「皆様も、護衛をつけておくことをおすすめ致しますわ。公爵家の私を襲うのにあのレベルでしたから、王族の方々を狙うならさらに精鋭が送られてくるはずですわ」
エリーはきちんと忠告をしておいた。
話を聞いていたモノたちは、エリーの言葉に頷いている。
「護衛は大事。1人では行動しないようにする」
「王城を歩くときも、2人は護衛をつけて行動するとしよう」
第1王女のタキアーナと第1王子のロメルが、真剣な声で言う。
他のモノたちも、きちんと護衛をつけて移動すると口々に言った。
そして、その後はいつも通り世間話を楽しんだ。
王子たちも、民衆たちの技術に興味を持ったと言っていて、しばらくしたら国営の会社から、考えた商品を売ってみるのだと言う。
ーー商業関係はかなり強くなったわね。私も、教えたかいがあったわ。
そう思いながら、エリーは帰宅した。
その日の夕方のこと。
父親がエリーに、衝撃的なことを告げた。
「アロークス殿下が、盗賊に攫われたらしい」




