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悪役令嬢、兄と仲良くする
「エリー。お出かけしないかい?」
エリーの兄、バリアルが話しかけてきた。
お出かけ、という言葉にエリーは興味をそそられ、
「行くぅ!」
と、即答した。
エリーは、バリアルに手を引かれ、屋敷の中を歩く。
「エリー。ここが、僕の部屋だよ」
そう言って、バリアルはムダに豪華な扉の前で立ち止まった。
ーーもしかして、お出かけって、屋敷内の探索のことかな?
「へぇ!バリアルお兄様のお部屋、おっきいねぇ!」
エリーは扉の大きさから部屋も相当大きいのだろうと判断した。
すると、その言葉には何も返さず、バリアルは扉に手を掛けた。
ギィィィ。
きしみながら扉が開く。
その扉の先には、
「すっごぉぉい!ご本がいっぱい!」
広い部屋。
そして、4面の壁には大量の本が並べられていた。
「ふふっ。それじゃあ、お散歩の続きしようか」
「うん!」




