悪役令嬢、愛想を尽かされる(思い込み)
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「そ、そうか。しばらくの別れということだな」
エリーは、感情がないように言う。
ーー私の闇の組織ごっこに飽きちゃったのね。
エリーは悲しくなった。
ーーセカンドは妹と会えて目的は達成したわけだし、他のメンバーも、時間が経って復讐心が落ちちゃったんだろうなぁ。
エリーは感じたのだ。
クラウンの皆が、自分の手元から飛び立っていくのだということを。
ーー悲しいわね。でも、こういうことだってあるわ。私は、火傷蜥蜴潰しを頑張りましょう。
そう心に決めたとき、エリーはあることを思いだした。
「だが、頼んでいたとおり。昼の護衛は頼むぞ」
エリーは昨日頼んでおいた、自分の護衛は念を押して頼む。
セカンドは深く頷いた。
「それに関しては、俺と新人たち数名で行おうと思っている。安心してくれ」
「ならいい。せいぜい、技術を高めることだ」
エリーはそう言って、仲間たちに背を向ける。
そのまま仮面を懐にしまって、憂さ晴らしへと向かった。
感情的になり、人目も気にせず殺害を行い続けたため、この日、王都に噂が立った。
光をまとった高速で動く精霊が、悪を打ち倒すという噂が。




