悪役令嬢、出会いがあれば……
次の日、エリーはファーストの家までやってきた。
家はクラウンたちの仕事により、かなり改築されており、秘密基地感は全くなくなっていた。
家の中に居るのは、今までのメンバーだけでなく、昨日の加護持ちが加わったため、100人を超えていた。
エリーが家に入ると、家に居る部下たちが膝をつく。
「お待ちしておりました」
先頭に居たファーストがそう言うと、エリーは首をかしげる。
ーー何かしら?いつもと雰囲気が違うわね。
「今回、我々クラウンは。闇の加護を持つモノたちを救出することに成功しました。それによって、我らの戦力はかなり大きなモノとなり、目標までかなり近づいたように思われます」
「そうだな。だが、全ての闇を飲み込むには、まだ足りないな」
エリーは、ファーストが何を言いたいのか分からなかった。
首をかしげていると、今度は、妹と再会したばかりのセカンドが口を開く。
「そこで、私たちは考えたのです。クラウンが強いのは、ゼロ様が強いからだと。そして、私たちでは到底ゼロ様を支えることはできないと」
ーーっ!?そういうことかぁ。
エリーは、セカンドたちの言いたいことを理解して、寂しさを覚えた。
「我々は、クラウンの強化。そして、我々自身の強化のために、これからしばらく、この場所から離れたいと思います」




