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悪役令嬢、急いで開発を進める
「ダリージャル!居るかしら!!」
エリーは、工房で、ダリージャルの名を呼ぶ。
すると、すぐに彼はやってきた。
「エリー様。お元気そうで何よりです。急ぎのご用ですか?」
「急ぎと言えば急ぎですわね。この事業を、早めに始めなければならなくなったんですの」
エリーの言葉に、ダリージャルは目を見開く。
そのダリージャルに、エリーは事情を説明した。
「そ、そう言われましても、研究に時間が掛かりそうですし、大型化など」
そう言って顔を暗くするダリージャル。
だが、エリーは首を振った。
「ただ急げ、とは言わないですわ。幾つか王都で研究などに使えそうなモノを用意してきましたの。是非お使いになって」
エリーはそう言って、手を叩く。
すると、兵士たちがさまざまなモノを、工房に運び込んできた。
中身は、本や木工品など。
とりあえず、使えそうな物を大量に買ってきたのである。
それを見たダリージャルは苦笑い。
ただ、研究に必要なモノであることは確かだったので、ありがたく受け取った。




