悪役令嬢、レベルアップした
《レベル13にレベルアップしました》
そこまででレベルアップは止まった。
エリーは小さな体を広げて体を伸ばす。
そう、男たちが猫と間違っていたのはエリーだったのである。
ついでに言うなら、男たちは国の中ではそこそこ有名な盗賊団の一員。
エリーは父親たちからの会話でこの辺りに盗賊団が居ることを知って、嬉々として倒していたのだが、
ーー光の加護が強すぎて、この程度じゃ物足りないわね。
。
全く相手にならなかったのである。
理由はもちろん、光の加護と、カンストしたスキル。
たとえ赤子だろうと、魔力系のスキルをカンストさせて、加護を持っていれば、その辺の奴らは瞬殺なのでアル。
「ちゅまんないなぁ」
舌足らずに呟きながら、エリーは盗賊狩りを続ける。
そして、盗賊狩りを始めてから2時間が経とうかというところで、
「そりょそりょ(そろそろ、加護が切れる時間ね」
エリーはそう呟いて、自分の家へと戻った。
エリーの部屋は屋敷の三階にあるのだが、加護によって強化された体なら簡単に入り込むことができた。
「まだ残ってたみたいね。でも、眠いし、寝ちゃいましょう」
エリーは加護を使って出しておいた幻影を消し、まどろみの中へ体を委ねた。




