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悪役令嬢、襲われる
誤字報告ありがとうございマックス。
「えぇ~。お兄様、意地悪ですわぁ」
「はははっ。怒るエリーも可愛いね」
和やかな会話が、馬車で行われる。
兄バリアルが教えてくれそうにないので、エリーは他のことを話そうと思ったところで、
ガタンッ!
馬車が大きく揺れた。
エリーは扉を手で押さえ、態勢を保った。
そして、席に座り直し、外の様子がどうなっているのかと窓を覗く。
「っ!お兄様!お気をつけ下さい!盗賊ですわ!!」
「「盗賊!?」」
エリーの言葉に、バリアルとキシィが驚く。
そして、不安げな表情になった。
「な、なんでだ?この辺りは盗賊なんて出ないはずなのに」
「お、おかしいわ。王都内に盗賊がいるなんて」
二人が頭を抱えて呟く。
だが、エリーはキシィの呟きの方に
ーーいや、普通に王都内に盗賊はいるわよ。
と、ツッコミを入れた。




