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悪役令嬢、ゴロツキと戯れる
「なんだ?猫か?」
小さな生物が、全身に入れ墨を入れた男たちの前を通り抜ける。
男たちは顔を見合わせ、ニヤァと品のない笑みを浮かべた。
「おらぁ!クソ猫が!」
男は罵声をあげながら小さな生物に石を投げる。
その生物は石にビクッと反応し、逃げ出した。
男たちは笑いながら石を投げ、追いかけていく。
そして、かなり走ったところで、小さな生物は路地裏へと駆け込んだ。
「逃がさねぇよ!!」
男たちは二手に分かれ、路地裏で挟み打ちにしようとした。
その時だった。
「さよなら」
か弱くかわいらしい、滑舌の弱い声が聞こえた。
その直後、
スパスパスパスパッ!
男たちの首が飛んだ。
当たりに赤い液体が飛び散る。
「ん~。名のある盗賊って聞いてたのに、拍子抜けねぇ」
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