悪役令嬢、計画のために実験を繰り返す
誤字報告ありがとうございマッスル。
「それで、ダリージャル。現在はどこまで大型化が進んでいるんですの?」
エリーは、作業員のリーダー、ダリージャルに経過を尋ねる。
ダリージャルは、実験の成果をエリーに報告した。
「まず、一般の船より防水性能を上げることを目指して材質の開発を行っております」
そう言いながら、改良によってできたらしい板に、水を垂らす。
すると、その板は、水をほとんどはじいた。
かけられた板を触ってみても、全く水がしみこんだ様子はなく、上に幾つか水滴が付いていた。
「まあ、材質はそれでいいかも知れませんが、ちゃんと隙間無く敷き詰めることはできますの。それに、大型化するのですから、量産化は?」
エリーの質問に、ダリージャルは暗い顔で首を振った。
まだ材質を作ることに手一杯で、そこまで手が回っていないのだ。
「うぅん。時間が掛かりそうね。人員が足りなさすぎるわ」
エリーは肩を落とす。
そこで、ダリージャルは思い出したように言う。
「人数はそろえられます。貴族様だからって怖がってた仲間たちがまだまだ居ますから。給料も、私たちの分をわけるので心配しなくて大丈夫ですよ」
その言葉にエリーは目を輝かせる。
給料はきちんと払うと言っておき、エリーは働き方など、その後もいろいろなことをダリージャルと話しあった。




