悪役令嬢、村での計画を進める
「エリー様!一生ご恩は忘れません!」
頭を下げる作業員たち。
目に涙を浮かべるモノも多い。
理由は、今までの生活からだ。
村長から虐げられていた作業員たちにとって、権力者とは自分たちを苦しめるモノ。
だから作業員たちは、求人に書かれていた仕事内容は建前で、自分たちはてっきり、エリーの遊び道具として集められたと思っていたのだ。
だが、実際にエリーは呼びかけたとおりの仕事を期待していた。
今までの経験などもあり、作業員たちはエリーが神の使いのように見えたのだった。
「それで、本当に大型の船を作って、他の馬車への移動用としてお使いになるつもりなんですか?」
泣き止んだ作業員たちのリーダーらしき男が尋ねてくる。
エリーは大きく頷いた。
「そうですわ。私が目指しているのは、金持ち以外が移動する手段ですの。平民も移動が自由になれば、この国はさらに発展すると思いますわ。どうかしら、私の理想に協力してくださるかしら?」
エリーの計画は、他の沿岸にある領地と、船を使って移動できるようにすることだった。
まあ、実際にエリーの頭にある計画は、それだけではないのだが。
「分かりました。この作業員一同、私、ダリージャルを筆頭にエリー様のために働かせて頂きます」




