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悪役令嬢、計画の視察
「エリー様。先週言われていたとおり、すでに働き手を雇っております」
エリーが3度目の領地訪問を行った。
村のモノに、2度目に計画した求人が成功したことを伝えられる。
エリーは早速、その人たちが居るという場所へ向かう。
その場所では、すでにエリーが考えていた計画が進められていた。
「貴族様が来たぞ!一旦、作業をやめろ!」
リーダーらしき人物が、作業をしていた他のメンバーの手を止めさせる。
そして、エリーの前で膝をつき、
「どういったご用でしょうか?」
低い姿勢のまま、エリーに用件を聞いてきた。
ただ、少し言葉に隠れたトゲがあることから、権力者を嫌っていることが分かった。
「ここを運営しているのは私ですわ。きちんと仕事をしているか確認するのは、当然の事ですわ」
エリーは、偉そうに言う。
ただ、作業員たちは反応を示さなかった。
ーーあら?権力者が嫌いなんじゃないのかしら?
エリーが悩んでいると、作業員たちは顔を上げた。
その顔は、満面の笑顔である。
「エリー様。感謝致します」




