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悪役令嬢、良い出会い
「エリー。今日は午前中にレール家と、午後にはターリル家と、それぞれ面会があるから」
「……分かりましたわ」
父親の言葉に、エリーは死んだ魚のような目で応える。
エリーにとって、痛々しい告白を毎日のように聞かされるのは、かなりきつかった。
だが、それでも耐えられるのには理由があった。
その理由は、頭の良い人間が相手であれば、
「実は私、領地でこういうことを計画致しておりまして」
「なるほど!是非、俺にも協力させてくれ!」
こういった形で、丸め込めるのだ。
他の領地の協力が得られて、エリーとしてもウハウハである。
因みに、エリーが領地で計画していることは、船関連のことである。
まあ、エリーの管理する漁村には、魚と船以外、あまり強いところがないのだが。
「今日会う両家は、頭が良い人物が多いから、きっと楽なはずだよ」
「まあ。そうなんですの?それは楽しみですわ」
こうして、告白に耐えながらも、エリーは繋がりを作っていくのであった。
それは、村のためなのか、それとも………




