悪役令嬢、縁談が沢山
「エリー。ちょっと良いかい?」
ある日、エリーは父親にそう問いかけられた。
特に予定も無かったので、よく分からないが頷く。
「実はな。エリーに沢山縁談が来ているんだ。そろそろ顔合わせだけでもしておかないと、貴族たちがうるさくてな」
そう言って、父親は苦笑いを浮かべた。
ーー縁談!そうだった。それがあったんだったわ。
エリーは毒を飲んだ日から、王族との繋がりを持ちたいという理由で、エリーとの婚約を求める貴族たちがとても多くなっている。
「分かりましたわ。では、まずはどなたから」
無視するわけにもいかないので、エリーは了承する。
その日から、エリーの顔合わせ地獄が始まった。
「エリー様。どうか我が子と婚約を」
「エリー。君はなんと美しいんだ。よし!僕と結婚しよう!」
「公爵家として、我が家との繋がりを重視すべきでは?」
などなど、様々な口説き文句がエリーを襲う。
因みに、1番上は口説き文句ではないが、その分、エリーの心へのダメージは少なかった。
2番目の台詞は、30代くらいの男性がいっている台詞で、エリーの年齢から考えてしまうと、かなり痛々しい台詞である。
3番目は、婚約相手としての候補がかなり優秀で、普通に面倒であった。




