悪役令嬢、変更を却下する
誤字報告ありがとうございまする。
「制度を変える?具体的には?」
エリーは具体的な内容を尋ねる。
セカンドは、老婆のファーストにも声をかけ、2人で説明を始めた。
「俺たちとしては。貴族たちの制度を参考にして……」
セカンドたちの提案は、いわゆる一般的な企業の階級制度を作るというモノだった。
1人では管理が厳しいので、それぞれ管理職を作るという話で、一見合理的であるように思えたのだが、
「それはやめておいた方が良い」
エリーは却下した。
却下されるとは思っていなかったため、ファーストと、セカンドは目を見合わせ、
「な、なんでだ?」
「悪くないと思ったんだけどねぇ」
理由を尋ねてきた。
エリーが却下した理由は、前世の経験も含まれており、
「まず、そう言った制度を作ると、行動が遅くなる。下から提案が出てきて、1つずつ階級が上の相手に話が上っていく。それでは遅いのだ。変化に対応ができない」
大企業にありがちな、変化に対応できない理由である。
まず、上まで報告がいくまでが遅いし、管理職のモノとしては、それを自分の手柄にしたがるため、さらにややこしいことになる。
それよりは、トップと1番下の社員が話す機会をたくさん作るべきなのである。
社員が提案して、社長が良いと思えば即座に許可を出す。
これこそが、変化に対応しやすい企業の形だ。
「まあ、階級を作ること自体は悪くないと思うが、上と下の繋がりに関して考えるべきだな」




