悪役令嬢、盗聴する
ある日の夜、エリーは耳に手を当て、何かを聞いているような仕草をする。
実際にエリーの耳には声が聞こえており、
「ボス!本部の奴ら、クラウンにやられちまったみたいですぜ!」
「いやぁ。本部の奴らもたいしたことないですね。やっぱり、ボスが本部でもトップになるべきじゃないですか?」
ボス、と言われる人物を褒め称える声が常に聞こえる。
そのボスと言われる人物は、
「あ?いやぁ。でも、本部とは数が違ぇからな、もっと加護持ちの手下を集めないと」
この国の火傷蜥蜴のトップである。
火傷蜥蜴は、世界中に広がる盗賊団(エリーはそう思っている)で、たまに本部という所から各地に視察が派遣されるのだ。
その視察が、クラウンによって殺された。
それが、この国の火傷蜥蜴を勢いづかせる。
本部の奴らが殺されたクラウンを、自分たちは退けた。
だから、自分たちが本部の奴より凄い。と言う理屈である。
最近では、この国の3分の2が本部に攻撃を仕掛けようという気持ちになっている。
盗賊のほとんどは、簡単に調子に乗せられてしまうのだ。
「大丈夫ですよぉ!ボスがいれば、本部なんて小指1本で潰せちゃいますって!」




