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悪役令嬢、テストしていた
「私、分かる」
第1王女のタキアーナがこう言い、エリーは少し驚く。
実は、ゲームでタキアーナは出てこないのだ。
そのため、エリーはタキアーナのことを分かっていない。
それもあり、前回の面会の印象である、無口、と言う印象しかなかった。
「エリーは、今のお茶は平民にとっての普通である、と言うことが伝えたかった。違う?」
タキアーナの言葉に、エリーは微笑む。
半分は正解しているのだ。
「その通りですわ。そのお茶、私の領地で1番高いお茶なんですのよ。まあ、1種類しかお茶無いから、それが1番安いお茶でもあるんですけど」
「そ、そんな。こんなものを平民たちは飲んでいるのか!?」
正義感の強い第2王子は、平民たちの食物を知って驚く。
こんなに自分たちと格差があるとは、思っていなかったのだ
「因みに、私がコレを出した理由は、それだけではございませんの。私は、殿下方の商才を見させて頂いたんですわ」
「商才。なるほど」
第1王女のタキアーナは、納得したような顔で頷く。




