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悪役令嬢、村を運営する
「そういえば、この村は失業者とか居るのでしょうか?」
エリーは案内役の村人に尋ねる。
村人は少し考え、
「少なくはないですね。厳しい税の取り立てもあり、住居も仕事も失ってしまったモノたちが沢山」
そういう村人の顔には、少なからず怒りが見えた。
エリーは前村長の無事を祈りつつ、話を進める。
「じゃあ、その人たちに仕事を与えますわ。内容は紙に書いて渡すから、ちょっと待ってて貰えますかしら」
エリーは紙にさらさらと仕事についての内容を書き、案内役の村人に渡す。
そして、その後は明日の王族との面会に備えて、お土産を買って置いた。
「あっ!そういえば、ロメルからお茶を頼まれていたんでしたわ。この辺りにお茶はありますかしら?」
エリーは、第1王子であるロメルから、お土産としてお茶を要求されていた。
エリーが尋ねると、村人から1つの小さなパックが手渡される。
「こ、これは!?」
エリーは目を見開く。
そして、
ーーこれで、王族方のテストをしましょう。
黒い笑みを浮かべた。




