悪役令嬢、収穫の報告を受ける
「クラウン様。こちらの資料を」
エリーは、爆発に気づいたクラウンの仲間に案内され、館へやってきた。
数人のメンバーから、館から見つかった資料を手渡してきた。
「うぅ~ん」
パラパラと資料をめくっていたが、とある資料でめくる手が止まった。
そこに書いてあるのは、魔法関係の事。
ある程度の魔法の知識をキシィから習っているが、まだ基礎しか分かっていないので内容がよくわからない。
だが、何かを勘違いしたクラウンのメンバーが、
「さすがクラウン様!闇の加護の付与の資料に興味を持たれたのですね!」
ー-え?これが闇の加護を付与する方法の資料なの!?
エリーは驚くが、仮面をつけているためにその表情は部下には見られない。
部下の誤解が正されることなく、話は進んでいく。
「この実験をクラウンでも取り入れられれば、火傷蜥蜴を上回る力が手に入れられるはずです」
部下が目を輝かせながら話を続ける。
とりあえず、誤解は置いておいて、分からないところを詳しく聞いてみることにした。
「ここって、どういうことかしら?」
「ん?ここですか?ここは………っ!?魔力関係式が間違ってる!?さすがクラウン様!間違いを瞬時に見つけられたのですね!」」
分からないことを聞いたはずなのに、なぜか褒められるだけだった。
ー-私は答えが欲しいのだけど。
エリーの願いもむなしく、誰もエリーの疑問に答えるものはいなかった。




