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悪役令嬢、お話する
「あ、あぁ~。まっきゃなおはにゃの~」
舌足らずではあるが、エリーは話せるようになった。
エリーは話せることがうれしくて、色々と歌を歌っていた。
だが、
コツコツッ。
足音が近づいてくる。
すると、すぐに歌うことをやめた。
ガチャッ!
「エリー。元気かな」
足音の主はそのまま部屋に入ってきて、エリーを抱きかかえた。
抱きかかえたのは彼のイケメンな兄、バリアルである。
「びゃりありゅにぃしゃま~(バリアル兄様ぁ~)」
エリーが名前を呼ぶ。
すると、バリアルの顔が固まった。
そして、
「え、えええええ、エリーがしゃべったぁぁ!!???」
バリアルの絶叫が響き渡った。
エリーは兄の絶叫に意識が飛びそうになるが、必死で耐えた。
「ちょ、ちょっと早すぎないか!?」
「バリアル!エリーが何かやったの!?」
バリアルから話を聞いた両親は、不審げにしていた。
だが、
「まぁあぁ~。ぱぁあぁ~」
「「か、可愛い!」」
簡単に陥落することができた。




