124/3881
悪役令嬢、一方的に話す
「このお菓子なんですけど、実は私が管理する領地でとれたモノなんですの。その領地を貰った理由は、王族の皆様とお友達になることが……」
エリーは一方的に話を仕掛ける。
話す話は、明るい話が中心だ。
愚痴などを言うと、あまり良いイメージにはならない。
皆さんも、ずっと愚痴を言い続ける人よりは、いつも楽しい話をしてくる人の方が好感を抱きやすいだろう。
その話を、第2王子以外は楽しそうに聞いている。
自分たちから話そうとはしないが、話に耳を傾けるのはするようだ。
ーーかなり心を掴むことができたわ。王女様辺りとはお友達になれそうね。
エリーはそう判断する。
「エリー様。申し訳ありませんが、そろそろお時間です」
かなりはなしが盛り上がりを見せたところで、やってきた侍女に話を止められた。
かなり良いところで止められたので、王族たちは不満そうな顔をする。
ーーつかみはOKね。
「ふふっ。この話の続きは、来週するとしましょう」
エリーはそう言って笑う。
こういうことをすると、次も良い感触で話せるので大切だぞ。




