悪役令嬢、自己紹介させる
「あらあら。ロメル様と、第2王子様は随分と仲が悪いのですね」
エリーは、笑いながら第2王子を見る。
すると、第2王子はむっとしたような表情をした。
だが、何も言ってこない。
話すつもりはない、というのは本当なのだろう。
「でも、あまりそれを公の場でやらない方が良いと、私は思いますわよ。兄弟仲の悪さを利用しようとする、悪い方が、いらっしゃるかも、しれませんし」
一層第2王子からの視線が鋭くなる。
だが、エリーはその視線を無視して、メイドに土産を出すようにいった。
次々とテーブルに並べていく菓子類。
それに、第3王子と王女2人の目の色が変わったのを、エリーは感じ取った。
そこで、エリーは標的を変える。
「あぁ。でも、口を開けない方が多いようですし、食べることはできないのかしら?このような菓子はいらなかったですわよね。メアリー。殿下方の菓子を取り下げてくれますかしら?」
その指示に従って、エリーの専属メイドであるメアリーが動こうとしたところで、
「ま、まちなさい!私は名乗りますわ!私、リファータ・アンダード・フィーリンですの!」
「ぼ、僕は。エイダー・アンダード・フィーリンだよ!」
「……私、タキアーナ・アンダード・フィーリン。お菓子は食べる」




