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悪役令嬢、自己紹介して貰う
「ちょっ!?兄様!」
自己紹介をすることを承諾した第1王子に、第2王子が慌てる。
だが、第1王子はそれを無視して喋り出す。
「俺は、第1王子、ロメル・アンダード・フィーリンだ。まあ、名前くらいは知っているだろ?」
「ええ。存じておりますわ」
エリーは頷く。
ロメルはすぐに目をそらし、椅子にもたれる。
因みに、ゲームのハードモードのラスボスである。
「兄様!何も言わないと約束したじゃないですか!」
そう言って第2王子が立ち上がる。
エリーは、兄弟間で色々とあることを察した。
「ふふふっ。では、喋ってしまいましたし、第2王子様にもお名前を伺っても?」
エリーの言葉に、あからさまに嫌な顔をする第2王子。
因みにエリーは、この第2王子と婚約させられそうになったのである。
もし素直に受け入れていたら、今以上にギスギスしていたことだろう。
「お前のように、僕らを利用とするモノと話すつもりはない!」
エリーの自己紹介の促しに、第2王子は拒否を示した。
仕方なくエリーは、少し本気を出して、交渉することにした。




