112/3881
悪役令嬢、村から戻る
幾つかお土産を買ったエリーは、そのまま帰路につく。
来た道を同じように引き返し、同じように数時間かけて家に帰り着いた。
「どうだった?」
父親に村の感想を尋ねられる。
エリーは村の光景を思い出しながら、
「かなり落ちていましたから、後は上がるだけ。といったところでしょうか」
自信満々にそう言って、エリーは笑った。
その言葉を聞いた父親も微笑み、他の家族と話しながら去って行った。
そして、夕食を食べたりしていたら、すぐに夜がやってきた。
「あっ!クラウン様!こんばんは!こちら、こないだの」
老婆の家に着くと、メンバーの1人に何かを手渡された。
それは、鳥のような仮面。
エリーはそれを被り、
「ありがとう。……いや。感謝する」
いつものように行った感謝の言葉を、幼子の声とは思えない低い声で否定した。
その仮面は、変声機能が付いており、自由に声の高さなどを変えることができるのだ。
その仮面の目的は、クラウンのボス、ゼロの正体がバレないようにすること。
エリーを守ることが目的なのだ。




