04 マナーと常識
物語は、あくまで架空の物だが、舞台が異世界の場合でも、ちゃんと現地のマナーや常識を定義して表明しておなかいと、一部の読者は現実世界のソレと比較して『この作者は常識を知らない』とレッテルを貼られてしまう。
特に昨今はラノベですら英訳されて輸出されている様なのだから。
国内での一例をあげると、テレビドラマ『水戸黄門』で、当初は「先の中納言、水戸光國公」と言っていたのを、途中から視聴者に分かりやすい「先の副将軍、水戸光國公」と放送してしまったのだ。
すると、「江戸時代の前後に『副将軍』と言う地位も役職も存在しない!」と一部の知識人からブーイングを喰らった事がある。
実際に、その辺りの番組を観た世代には『江戸時代には副将軍と言う役職が存在した』と思っている者が少なくない。
水戸光國が実在の人物だけに、大げさに言うと歴史と常識の改竄である。
まぁ、それを言いはじめると、御老公様は、あんなに広範囲を漫遊などしていないらしいのだが。
他にも、いくらフィクションだからと言って、現代劇で北海道の地元民が網走で流暢な関西弁を使って会話していたら、非常識さを感じないだろうか?
だが、ここに『この二人は関西での漫才師を目指していて・・・・』と言う説明を入れれば、話は違うのである。
つまりは、『「わかってるだろう」と、横着をせずに説明を入れるべきだ』と言う話だ。
さて、本題だ。
地球でのマナーを改めて確認しよう。
*ノック
日本の多くのドラマなどでも間違った文化として、ドアのノックがある。
本来の日本には無かった文化『ノック』。
日本の多くの作品で、部屋への入室時のノックは二回を使っている。
日本の非常識な下民は兎も角、貴族や上流階級を描く上では常識人や海外の者に笑われてしまう。
入室の合図であるノックは、ドアは三回。
トイレのみ二回が常識だ。
これは西暦二千年代にはいってからは、かなり改善されてはいるが。
異世界物の場合も『この世界のドアノックは二回だ』などと記述してから使うべきだろう。
現世物でも異世界物でも、下民はマナーに疎いから、そっちはどうでも良いが。
*先駆け
先の事項にも記したが、貴族に『先駆け』は常識だ。
現代劇でも「面会の御予約は有りますか?」などは定番だろう。
例え訪問先が暇でも、客人を受け入れる体勢と言うものが、権力者にはある。
体裁と言う奴だ。
また、訪問の目的を事前に伝えておく事で、資料の準備などをして、二度手間を防ぐ事も必要だ。
権力者は、いつも暇ではないのだ。
結果、予約を入れていない訪問をした場合は『マナーを知らない非常識な奴』とレッテルを貼られて粛清の対象にされてしまう。
当然、「じゃあ、今から会いに行こう」なんて事は有り得ない。
*食事の描写
マナーに関しては、国により異なるが、貴族ならば西洋風で話を進めたい。
私も下賎の者なので詳しくはないが、確か、以下の様な感じだ。
まず、現在では前菜から一皿づつ出すのがフランス料理として定着化しているが、あれは本来はロシア料理だ。
寒い地方故に、まとめて出すと冷えてしまうので、一皿づつ出す様式になっていた。
貴族時代のフランス料理は、テーブルいっぱいに料理を山積みして、好きな物を好きなだけ取って食べていたらしい。
主人が食べ終えて退室した後に、側仕え達が順番に食べていくのが、元々の貴族社会での食べ方の様だ。
当時のマナーについては不明瞭であるが、現代のマナーとしては、
食い散らかさない、騒がない。
食いちぎる行為はせずに、ナイフやフォークなどを使い、ひと口大に切って、口に運ぶ。
パンや骨付き肉など、フォークとナイフでさばききれない物は、指でちぎって口に運ぶ。
料理を口に運ぶのであって、口を料理/テーブル側に運ばない。つまりは前傾姿勢にならない。
料理の乗った皿やボウルなどの食器を持ち上げない。
ただし、カップは別。
現代日本では手を合わせる位だが、宗教が根強い地域では、食事の前に長々と神への感謝の言葉を唱える場合がある。
日本人には馴染みがないが、文明圏では信仰を持っている割合が高いので、一考の価値はあるだろう。
あと、平民である料理人が作った物は、側仕えが毒味をしてから貴族の前に出される。
よって、料理は冷めているし、毒味の為に量が減っていたり、どこかが切り取られていたりする。
*移動方法
貴族の移動は、基本的に乗り物を使う。
先に記した様に、貴族の命はとても大切だ。
いくら護衛を付けても、物陰から複数の弓矢で狙われては防ぎきれない。
だから、弓矢などで狙われても大丈夫な様な箱形の馬車を使って移動する。
決して楽をする為ではない。
*育児
貴族の夫人は、社交も大切な仕事だ。
家の跡継ぎを産む事が、彼女の最優先事項だが、育児は社交よりも低く見られており、時おりの顔見せはあるが、基本的に育児と教育は乳母と部下に任せっきりである。
【ノック】に関して書き加えました。




